5.まとめ
まず進行波形光変調器の電極として、常伝導体と超伝導体を用いた場合の性能比較を計算により行った。次に超伝導電極NbNを用いて、L=20mmのMZ形光変調器を製作し、極低温の下でその変調特性を評価した。
図10に示すように、シールド板の添加によりほぼ理論通りに、速度整合に近い状態が得られ、L=20mmにおいて26GHz以上(optical
3dB)の広帯域特性を有することを実験的に検証した。
今後の課題としては、変調器の低駆動電圧化が考えられるが、図6および図7に示すように、超伝導体を用いれば、電極を長くすることによって、帯域をそれほど落とさずに半波長電圧の低減化を図れることが予測されるので、折返し導波路[3]を用いれば、小さなLN基板においても電極長を確保することができ、この時変調器の性能は大きく改善されることが予測される。