4.コプレーナ線路による電極の実現
4.1 スタブを用いた給電回路
図4にスタブを用いたインピーダンス整合回路を、コプレーナ線路により平面上に実現したものを示す。
変調信号は給電線を伝わり、二手に分かれた先端短絡の共振線路へと分かれる。共振器長は変調信号の波長の1/2となっている。給電点の先には先端短絡で実現されたスタブがあり、その長さがスタブ長となる。
4.2 インバータを用いた給電回路
インバータを回路上に実現するにあたり、まずその等価回路を導く。インバータを図5(a)のようなインダクタンスとキャパシタンスからなるp型の集中定数回路によって実現するとする。このとき図5(b)のようにインダクタンスを負のキャパシタンスとみなせば、信号線上にギャップを設けることで実現される。この様子を表したのが図5(c)である。実際にはギャップだけでは伝送線路とならないため半波長線路を両側に負荷することになる。このギャップの間隔により、(3)式に示したインバータのパラメータ値a0が決定される。
図6にインパータを用いた給電回路を示す。変調信号は給電線を伝送し、インバータ部を通過して給電点に到る。インバータの電圧変換比が大きいとき給電点での電圧は入射電圧よりも大きくなり、これが共振線路によってさらに大きく励振されることになる。共振器長はスタブと同じく変調信号の波長の1/2となっている。共振回路はインバータ通過後の変調信号が共振器により更に大きく励振されるよう先端開放の共振回路としている。